Elytraレビュー|KBD.newsが見たワイヤレス分割キーボードの魅力
2026年07月08日

Elytraレビュー|KBD.newsが見たワイヤレス分割キーボードの魅力

本記事は、KBD.newsに掲載されたElytraレビューを日本語向けに翻訳・一部編集したものです。原文はこちらからご覧いただけます。

Elytra レビュー

Elytra は、クールなアルミケースに収められた、完成品のワイヤレス分割キーボードです。ロープロファイル設計で、持ち運びやすさも意識されています。

Elytra ワイヤレス分割キーボード

キーボード愛好家の中には、従来型のキーボードと本格的なエルゴノミック設計のキーボードの間で迷う人も少なくありません。組み立て済みの分割キーボード Elytra は、公式写真でも目を引きますが、実物ではさらに魅力が際立ちます。そうした人に向けた、従来型のロウスタッガード配列を採用した分割キーボードです。

概要:Elytra は、高精度な切削加工、洗練された外観、ロープロファイル設計、そしてこだわりの底面デザインが印象的なキーボードです。特徴は、コンパクトな設計、Bluetooth 接続に対応した軽量アルミケース、POM 製 Kailh Choc V2 スイッチ、ホットスワップ対応 PCB、MX 互換キーキャップ、Vial 対応、上質な専用ハードケース。カスタマイズしやすく、はんだ付けやプログラミングをせずに分割キーボードを試したい方に適しています。従来型に近い配列を採用しているため、タイピングを一から覚え直さずに使い始めやすい点も魅力です。

ElimKeys が設計した、美しいワイヤレス 60% 分割キーボード Elytra を見ると、2025 年で特に気に入っているプロジェクトである Cornix を思い出し、つい比較したくなります。ElimKeys は別のチームですが、製造パートナーである Jezail Funder Studio らしさは、このキーボードにも確かに感じられます。品質、切削加工、さらにはキーキャップやスイッチの選定にも、その影響が表れています。

Elytraの外観

個人的には、本格的なカラム配列のエルゴノミック分割キーボードのほうが好みです。それでも、このキーボードには大きな可能性を感じたため、Elytraの検証には普段以上に時間と手間をかけました。分解写真付きの徹底分解まで含め、より詳しく知りたい方は、以下のレビューをご覧ください。Imgur には写真まとめも掲載しています。

免責事項

  • ElimKeys の Haobo Gu 氏から、今回のレビュー用に Elytra を無償で提供していただきました。なお、Haobo Gu 氏は Rust ベースのキーボードファームウェア「RMK」の開発者でもあります。いつものことですが、無償提供品には、良い面でも悪い面でも、先入観が生じる可能性があります。ここに書いている内容は、その点を踏まえてお読みください。
  • 本製品は Kickstarter 上のクラウドファンディングプロジェクトとして始まりましたが、いわゆるレンダリング画像だけの不透明なプロジェクトではありません。初期プロトタイプが存在するだけでなく、テスター向けのベータ機もすでに用意されており、製品は量産準備の段階にありました。
  • なお、最終的な量産版は、写真のベータ機と比べてさらに改良される予定です。

バリエーション

カラーはブラックとシルバーの 2 種類です。どちらもビーズブラスト加工とアルマイト処理が施され、それぞれブラックとホワイトのキーキャップが組み合わされています。スイッチは、軽めのリニアスイッチと静音スイッチの 2 種類から選択できます。どちらも Choc V2 スイッチを採用しています。支援者は、クラウドファンディング終了後にカラーとスイッチタイプを選択できる形でした。

Elytraのカラーバリエーション

写真の通り、今回届いたのはシルバーモデルでした。自分で選んだわけではありませんが、結果的には大満足です。指紋がまったく目立たないためで、ブラックモデルでも同じかどうかは気になるところです。

開封・内容物

Elytra は、シンプルで小さな段ボール箱に入って届きました。ブランドロゴなどはなく、量産版では変更されるかもしれませんし、そのままかもしれません。ただ、重要なのは中身です。外箱の中には、これまで見た中でも特にかわいい専用ハードケースに収められたキーボードが入っていました。

Elytraの内容物

内容物:

  • キーキャップ・スイッチ装着済みの Elytra 本体
  • 専用ハードケース

今回のベータサンプルに含まれていたのは以上でした。ただし、これは量産版のフルセットではない点を強調しておきます。実際の製品版では、内容が大きく異なる可能性があります。Kickstarter のページでは、以下の追加アイテムが掲載されていました。

  • マニュアル / カード
  • USB ケーブル
  • 予備スイッチ ×2
  • 予備キーキャップ ×2
  • キーキャップ&スイッチ取り外し用ツール
  • 交換用の底面絶縁シート

さらに上位のバンドルには、以下が含まれます。

  • パームレスト
  • テンティング用脚

第一印象・デザインの方向性

改めてデザインを見ると、どうしても Cornix を思い浮かべてしまいます。おそらく、Jiffy SP75(近日登場予定)がまだ発売されていないからかもしれません。こちらも Jezail Funder Studio による分割キーボードで、Elytra と同じくロウスタッガード配列を採用しています。ただし、Elytra も一部は JFS が関わっており、製造パートナーとして、組み立てやキーキャップを担当しています。削り出しアルミケースの高い加工精度は、これらのキーボードに非常に洗練された質感を与えています。ニッチな分割キーボードの分野では、ここまでの仕上がりは比較的珍しいと言えるでしょう。さらに Elytra は、Holy60 のような「バイオミメティック」な特徴的な底面デザインによって、デザイン面でも一歩先を行っています。

Elytraのデザイン

使用時の見た目は、ロゴが一切ない、すっきりとしたシンプルなデザインです。実は、キーボードを裏返して初めて、デザイナーの底面デザインへのこだわりが分かります。持ち運び用の専用ハードケースには、控えめなロゴが入っています。

Elytraのロゴ

スペック

  • レイアウト:63キー(ロウスタッガード配列の左右分割キーボード)
  • キーキャップ:昇華印刷 PBT、LAK プロファイル(ロープロファイル MX)
  • スイッチ:POM 製 Kailh Choc V2 ロープロファイルスイッチを 2 種類から選択可能
  • 筐体素材:CNC アルミニウム
  • 取り付け方式:トレイマウント
  • プレート:FR4、マットブラック、フレックスカットなし(現時点)
  • PCB:ホットスワップ対応、マットブラック、フレックスカットなし、キーごとの LED なし
  • テンティング:ベータ機ではテンティングなし。6度および 10.5度に対応予定
  • ソフトウェア対応:RMK / Vial
  • ワイヤレス:Bluetooth、3 台の Bluetooth 接続先を登録可能、300mAh バッテリー ×2
  • 高さ:筐体厚 11.8 mm。キーキャップとゴム足装着時でも 2 cm 未満
  • サイズ:左側 15.4 × 10.1 cm、右側 17.3 × 10.1 cm
  • 重量:440 g

レイアウト

慣れるまでのハードルは高くありません。63キー、ANSI 配列、ロウスタッガード配列で、B キーは左右両側に配置されています。おなじみの 60% レイアウトに非常に近く、基本的にはそれを左右 2 つに分割したような構成です。一部キーのマッピングに、わずかな違いがある程度です。

この従来型に近い配列は、分割キーボード初心者にとって、従来のレイアウトから移行しやすい点がメリットです。また、ANSI QWERTY 配列を使いこなしていて、本格的なカラム配列のエルゴノミックレイアウトに合わせるためにタイピングを一から覚え直したり、指の動きを鍛え直したりしたくないユーザーにも向いています。

Elytraのレイアウト

36〜42キー、あるいはそれ以下のキー数でタイピングしているコアな分割キーボードユーザーからすると、63キーでもすでに多すぎると感じるかもしれません。それでも Elytra は十分にコンパクトです。物理的な F キー、テンキー、一般的な矢印キーとナビゲーションキーのクラスターはありません。文字キー以外で用意されているのは、基本的に数字行と修飾キーです。さらに Elytra では、右側の修飾キーを削る形で、専用の矢印キークラスターも備えています。

もうひとつ小さな変更点として、デフォルトでは CapsLock キー位置に Esc が割り当てられていました。実際のところ、これは Haobo 氏個人の好みだったようで、サンプル機にファームウェアを書き込む前に元へ戻すのを忘れていたとのことです。

Elytraの矢印キークラスター

さらに、右 Shift キーの位置には Fn キーが配置されています。Kickstarter の FAQ によると、「?」キーの右隣にある上矢印キーは MT(RShift, Up) になっているはずですが、私の個体ではそうなっていませんでした。

ビルドクオリティ・構造・筐体

作りは非常に良好です。ElimKeys はこの点でもさらなる改良を予定しているようですが、正直なところ、なぜ必要なのかと思うほどです。私が試したテスト機には、気になる点はありませんでした。全体はかなりスリムですが、よりかさばる 3D プリント製プラスチック筐体と比べても、適度な重量感があります。さらに、このシルバーモデルは指紋がほとんど目立ちません。ちなみに、どちらのカラーもビーズブラスト加工とアルマイト処理を施したアルミニウム製です。

Elytra は、高品質な CNC 加工アルミニウムで作られ、しっかりとした剛性感がありながら、驚くほど軽量に感じられるよう設計されています。私たちは、軽量でありながら非常に高い強度を持つ、甲虫の上翅(エリトラ)に着想を得ました。そのバイオミメティックな発想を、Elytraの CNC アルミシャーシの底面にも取り入れています。— ElimKeys

ネジが隠れているため、Elytra を分解するには、まずいくつかのキーキャップを外す必要があります。

Elytraの分解

正直、外すキーキャップは半分以上あります。Elytra は明らかに完成品志向のキーボードで、分解のしやすさよりも見た目の美しさが優先されています。とはいえ、分解自体は可能です。少なくともネジはすべて同じサイズ・同じタイプなので、ドライバー 1 本で済みます。

Elytraの分解時に外すキーキャップ

片側あたり、トップケースを外すのにネジ 5 本、プレート / PCB のサンドイッチ構造を外すのにさらに 5 本のネジを外します。

Elytraのネジ

レビュアーの視点では、この構造が最適とは言えません。ただ、ほとんどのユーザーはそもそも分解することはないでしょう。

構造・マウント方式

トレイマウント構造で、プレート / PCB のサンドイッチ構造は 5 本のネジでボトムケースに固定されています。この構造のおかげで、打鍵感はかなりダイレクトです。ガスケットやフレックスカットのような柔らかさやクッション感はありません。

Elytraの筐体構造

プレート

プレートはマット仕上げの FR4 製です。現時点ではフレックスカットがないため、打鍵感はかなりダイレクトです。なお、最終版では、さらなる軽量化のためにプレートにカットが入る可能性もあります。

Elytraのプレート

Cornix と違い、今回はすべてのキーが 1U というわけではありません。そのため、左右のスペースバーと左 Shift 用に、合計 3 つのスタビライザーが使われています。ロープロファイル用のスタビライザーで、質感も良好です。

PCB

これは完成品キーボードなので、ほとんどのユーザーは PCB をプレートやスイッチから外すところまで分解する必要はないでしょう。1.2 mm 厚の PCB にはホットスワップ対応ソケットが搭載されています。一方で、LED はインジケーター用を除いて搭載されていません。フレックスカットもありません。

Elytraの PCB

スイッチ

ベータ機には、もともと出来の良いオール POM 製 Kailh Choc V2 White Rain スイッチが搭載されていました。このスイッチは、以前レビューした私の LEGO 分割キーボード KBDcraft Israfel で初めて見たものです。一方で ElimKeys は、Elytra 向けに Kailh と共同で 2 種類のカスタム仕様のロープロファイルスイッチを開発しています。CloudShell White(リニア)と JZF Mist(静音)です。最終的な量産版には、これらのスイッチが搭載される予定です。

Elytraのスイッチ

どちらのスイッチも軽めのリニアで、押下圧はそれぞれ 40 gf と 37 gf です。総トラベルは 2.8 mm です。

試してみたい場合は、最近人気の Choc スイッチや、自分の好みに合うスイッチを使ってみるのもよいでしょう。ただし、ステムには注意が必要です。Choc V1 と Choc V2 は同じフットプリントを採用していますが、対応するキーキャップは異なります(MX ステム / Choc ステム)。

重要なのは、PCB にホットスワップ対応ソケットが搭載されている点です。はんだ付けをせずに簡単にスイッチを交換できるため、工場出荷時の構成に縛られることはありません。

Choc V2 は、Choc のフットプリント / ピン配列と MX ステムを組み合わせた仕様です。つまり、ロープロファイルスイッチでありながら、Choc 用キーキャップよりも選択肢の多い MX 互換キーキャップを使えるという、両方の利点を備えています。Choc スイッチの選択肢が少ないと思っているなら、考え直してもよいかもしれません。

キーキャップ

PBT LAK キーキャップは、特に分割キーボードで使うことを考えると、十分に実用的です。均一なシリンドリカルプロファイルで、天面は比較的小さめです。プロファイルが均一なので、別のレイアウトに合わせてキーキャップを入れ替えやすいのも便利です。ただし、ホームポジションキーは例外です。

Elytraのキーキャップ印字

標準キーキャップは JZF 製ですが、印字は異なります。こちらのほうがすっきりした印象です。オリジナルの Cornix キーキャップとは違い、小文字表記で、サブ印字やレイヤー表示もありません。さらに、ブラックのキーキャップは黒地に黒印字のステルス仕様で、かなり上品に見えます。一部の Cornix バリエーションに見られる黒地に白印字のセットとは対照的です。

Elytraのブラックキーキャップ

実際、LAK は Cornix のときよりも Elytraのほうが相性が良いと感じます。Cornix ではキー同士の間隔が広く、エッジもやや立っていたため、サムクラスターにはあまり向いていませんでした。一方 Elytra は、左右それぞれに凸型のスペースバーが 1 つずつある構成です。親指を複数のキーの上で滑らせる必要がないため、Cornix で感じたような問題はありません。

JZF LAK キーキャップ
同じプロファイルで、印字が異なるオリジナルの JZF LAK キーキャップ

とはいえ、試せる互換性のある MX Lamé セットを持っていないので確認はできていませんが、私ならもう少しエッジの立っていないキーキャップに交換すると思います。ただ、これは単に私の好みの問題かもしれません。いずれにしても、Choc V2 は MX ステムのため、標準キーキャップやロープロファイルキーキャップに縛られることはありません。

Cherry プロファイルキーキャップを装着した Elytra
一部に Cherry プロファイルキーキャップを装着した Elytra(MoeeTech)

キーキャップの互換性については、60% に近いレイアウトなので、かなり幅広く対応できるはずです。右下周辺は印字の互換性が少し難しいかもしれませんが、プロファイル面で悩んだのは 1.5U の Backspace くらいでした。

Elytraの右下キー配置

気になったのは、長めの Cherry プロファイルキーキャップだと、スタビライザー付きのキーには少し重すぎるかもしれない点です。3 つとも引っかかりました。参考までに、Choc V2 White Rain スイッチは Awekeys のメタルキーキャップ相手ではまったく歯が立ちませんでした。

底面・ウェイト

凝ったウェイトはありませんが、Holy60 のようなキーボードで見られる、有機的な形状の穴を取り入れた削り出しの底面が印象的です(「バイオミメティック CNC」)。

Elytraの底面

ベータ機には絶縁材が一切なく、底面の穴から PCB が見える状態でした。製品版では、主にショートを防ぐための標準絶縁パッドが付属する予定です。さらに、交換可能なフルサイズの絶縁パッドも同梱され、必要に応じて交換することで、湿気や水、ほこりからの保護を高められます。

テンティング・タイピング角度

デフォルトではテンティングはなく、ベータ機では試すことができませんでした。ただ、「Ultimate Ergo Bundle」には固定式のテンティング構成らしきものが含まれているようです。おそらく、オプションのアドオンとしても用意されると思われます。

Elytraのサイドプロファイル

サイドサポートを交換することで調整できる、6度と 10度のテンティングに対応する予定です。

打鍵音・吸音

DIY 分割キーボードの世界では、打鍵音はあまり語られるテーマではないかもしれません。とはいえ、Cornix はそこにもこだわれることを示していましたし、Elytra もこの点ではかなり良好です。上質な削り出しケースを採用した完成品の分割キーボードらしい仕上がりです。

いかにも DIY 分割キーボードという音ではありません。吸音レイヤーが入っていないにもかかわらず、音は比較的控えめで、かなりクリーンかつ心地よい印象です。

手元にあるほかのプラスチック製や 3D プリント製の分割キーボードは、大きめの XDA キーキャップを付けているものもあり、Elytra よりずっと音が大きく、カチャつきも目立ちます。それらと比べると、Elytra はより洗練された打鍵音を持つ、精密なマシンのように感じます。

参考までに、現時点では軽量化のため吸音フォームは含まれていません。クラウドファンディング終了後に支援者へアンケートを行う予定で、要望が多ければ、吸音フォームの追加も検討されるようです。

ライト・インジケーター

ワイヤレス重視のキーボードではよくあるように、キーごとの RGB、装飾用ライト、ディスプレイは搭載されていません。一方で、前面には小さなインジケーター LED が 4 つ配置されています。左右それぞれに 2 つずつあり、ユーザー側を向いて、モード、接続状態、バッテリー残量低下の警告を表示します。

Elytraのインジケーター LED

ワイヤレス

Elytra は Bluetooth 接続に対応したワイヤレスキーボードで、3 台の Bluetooth 接続先を登録できます。バッテリーは 300mAh ×2 です。左側がメインデバイスになっており、こちらは有線接続でも使用できます。一方、右側スレーブの USB ポートは充電とファームウェアの再書き込み用で、左右の間をつなぐケーブルはありません。

Elytraのワイヤレス接続

バッテリー駆動時間については、ElimKeys のテストによると、1 日 8 時間の使用で、左側(central)は約 2〜3 週間、右側(peripheral)は少なくとも 1 か月持つとのことです。

持ち運び時や使わないときのために、左右それぞれに専用のオン / オフスイッチが付いています。ただし、キーボード自体は自動的にスリープモードに入ります。聞いたところによると、このスイッチは Cornix とは異なり、実際にバッテリーを切り離す仕組みになっているそうです。スイッチをオフにすると、バッテリーは物理的に切断されます。この状態では、キーボードは USB ケーブルから給電されますが、バッテリーは充電されません。これは良い仕様です。バッテリー保護にもつながります。

Elytraのバッテリー

ここはかなり重要なポイントです。Elytra は各種認証を取得しています。バッテリーについては IEC 62133 と UN38.3、ワイヤレスモジュールについては FCC、CE、TELEC、BQB の認証を取得しており、安全面ではある程度安心できそうです。

ただし、一般的な注意点として、ワイヤレスキーボードを常時接続したまま使っている場合は、内蔵バッテリーと発火を防ぐための注意点についてまとめた記事も読んでおくことをおすすめします。詳しい解説や対策、実際のトラブル事例についても紹介されています。

基本的に、ワイヤレスキーボードをケーブルにつなぎっぱなし、つまり充電し続ける状態にしておくと、リチウムバッテリーの劣化が早まります。適切なバッテリーケアを行う必要があります。

とはいえ、バッテリーの膨張がないかは定期的に確認しておきましょう。

Elytraの右側はワイヤレス専用のため、バッテリーを取り外したり、切り離したりすることはできません。バッテリーにアクセスするには、キーキャップをいくつか外したり、ネジを外したりする必要があり、やや手間はかかります。ただ、筐体底面の穴があるおかげで、バッテリーは少なくとも一部なら外から確認できます。

ソフトウェア

RMK / Vial に対応しているのは、やはり便利です。Elytraの想定ユーザーにとって、簡単にキーリマップできることは、全キー 1U でキー数の少ないカラム配列のエルゴノミック分割キーボードほど重要ではないかもしれません。それでも、使用する言語によっては、特に矢印キー周辺の機能を調整する必要がある場合があります。

キーマップの細かな調整は簡単です。Elytra は Vial にすぐ認識され、自分用のキーマップ設定もあっさり完了しました。私の場合、追加レイヤーなしでは使えないタイプなので、今回は左右 2 つのスペースバーでレイヤーを有効にする形にしています。そこで最初に確認したのは、SpaceFN が期待通りに動くかどうかでした。結論から言うと、問題なく動きます。

Vial で認識された Elytra

レイヤーに慣れていない方に説明すると、SpaceFN は 1 つの論理レイヤーとして機能する仕組みです。矢印キー、ナビゲーションキー、数字などを指先の届く位置に配置できる、かなり便利な機能です。タップホールド機能を使って呼び出せるため、たとえば私の場合は右スペースバーを次のように設定しています。

Elytraの SpaceFN 設定

とはいえ、これはほんの一例です。Elytra ではさらに多くの設定が可能で、タップホールド、タップダンス、マクロ、コンボなどに対応しています。

エルゴノミクス

エルゴノミクスは判断が難しい部分です。Elytra もエルゴノミックな観点から見て完璧というわけではありません。それでも、従来型のレイアウトとエルゴノミック要素のバランスを取りながら、必要なポイントはかなり押さえています。

  • エルゴノミクスの面では、分割キーボードは一体型のキーボードより有利です。左右のユニットを自分にとって無理のない角度と距離に置けるため、胸を開いた姿勢を取りやすく、手首にも自然な角度を作りやすくなります。これにより、手首が小指側に曲がる負担も抑えやすくなります。
  • ロープロファイル設計のため、手首の反り返りも気になりにくいはずです。
Elytraのエルゴノミックな配置
  • フルバンドルには、何らかの テンティング 機構が含まれています。前腕を内側にひねる負担を抑えやすくするためのものです。
  • 一方で、うまく機能しているとは言いにくいのが、従来型の ロウスタッガード配列 です。これは Elytra 固有の問題ではありませんが、従来型のキー配列自体にそもそも無理がある部分が多く、特に左手側でそれを感じます。
  • 最後に、分割スペースバーについても触れておきます。これは従来の一体型キーボードからの大きな改善点です。本格的なサムクラスターほど自由度は高くありませんが、タップホールド機能によって 2 つの追加レイヤーに簡単にアクセスできます。よく使うキーをホームポジションの近くに配置できるため、指の移動量も減らせます。

携帯性・専用ハードケース

Elytra は、デスク上で使う場合にも、持ち運びを重視する場合にも使いやすいキーボードです。コンパクトで、比較的軽量です。ワイヤレス対応のため、ケーブルなしで持ち運びやすい点も魅力です。さらに、左右それぞれにオン / オフスイッチがあるため、移動中の誤入力や意図しないスリープ解除も防ぎやすくなっています。

実際、左右のユニットを重ねても、高さは一般的なキーボードと同じくらいです。

Elytra を重ねた状態

さらに Elytra には、これまで見た中でも特にかわいい専用ハードケースが付属します。大型モデル用のケースをそのまま小さくしたような作りで、こちらのほうが何倍もかわいく見えます。内側には、とても質感の良いふわふわのクッション素材が使われています。

Elytraの専用ハードケース

総じて、Elytra は持ち運び用途にも非常に向いているキーボードです。

ベータサンプルと量産版の違い

すでに触れた通り、このレビュー写真に写っている個体はベータサンプルです。最終的な量産版では、いくつかの点が改良される予定です。

  • パッケージ:正式な製品パッケージはまだ準備中だったため、このサンプルにはキーボード本体と無償付属の専用ハードケースのみが含まれていました。
  • 仕上げ・継ぎ目:量産版では、継ぎ目がよりタイトになり、表面仕上げもさらに洗練されるとのことです。とはいえ、このサンプルで気になる点は見当たりませんでした。加工跡や隙間もありません。
  • 底面絶縁:最終版には、底面用の絶縁シートが付属します。分割タイプとフルシートタイプの 2 種類が用意される予定です。
  • スイッチ:スイッチはまだサンプル段階で、このベータ機では Kailh の標準 White Rain スイッチが仮採用されていました。前述の通り、量産版にはより軽いカスタムスイッチが搭載される予定です。

まとめ

Elytra は、ElimKeys による非常に優れた完成品の分割キーボードです。従来型のロウスタッガード配列が好みであれば、ロープロファイル分割キーボードとしてかなり理想に近い一台と言えます。

上質な削り出しアルミシャーシに加え、とてもかわいい専用ハードケースも付属しています。チームは、目を引くデザインと優れた打鍵感の両立にかなり力を入れているようです。このあたりは、DIY 分割キーボードの世界では必ずしも優先される要素ではありません。

ホットスワップ対応の Choc V2 スイッチ、ロープロファイル PBT キーキャップを備え、開封してすぐに快適にタイピングできます。さらに Vial 対応により、簡単にカスタマイズできる点も大きな魅力です。今回試したのはベータ機でしたが、高品質なアルミ製分割キーボードを試してみたい方には十分おすすめできます。

良い点

  • ロープロファイル分割キーボードとしては非常に優れたビルドクオリティ
  • 高いカスタマイズ性(ホットスワップ対応の Choc フットプリント、MX ステム、Vial 対応)
  • とてもよくできた専用ハードケース

気になる点

  • 完全分解がやや手間です。バッテリーの状態をしっかり確認する際などに必要になるため、数年使用した後には重要になる可能性があります。
Elytra レビューまとめ画像

レビューを読んで Elytra が気になった方へ

Elytra は、左右を分離して自然な位置に置けるワイヤレス分割キーボードです。カラーやスイッチ構成、在庫状況は製品ページでご確認いただけます。

Elytraの製品ページを見る

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